令和7年度税制改正大綱 電子取引データ保存制度の見直しについて
令和7年度税制改正大綱で電子取引データ保存制度の見直しが行われました。
今回はこちらの内容についてご報告いたします。
国税庁長官が定める基準を満たしたシステムを利用し、届出書の提出等の一定の要件を満たしたデータを「特定電磁的記録」と位置づけ、重加算税の加重措置(データ改ざん等の不正が生じた場合、通常の重加算税に本税の10%に相当する金額を重課する措置)の対象から除外します。
要件 | 概要 |
①クラウド利用 | 電子取引データについて、訂正・削除を行った場合の事実内容を確認できる特定電子計算機処理システムを使用して電子データの授受及び保存を行うこと |
②帳簿との連携 | 電子取引データを訂正・削除した上で、国税関係帳簿に記録した場合には、その訂正・削除を行った事実内容を確認できる「特定電子計算機処理システム」を使用してその電子データの授受及び保存を行うこと |
③相互関連性の確保 | 電子取引データとその取引に関連する帳簿との間において、相互にその関連性を確認できること |
④届出書の提出 | ①及び②の「特定電子計算機処理システム」を使用してその電子取引データの授受及び保存を行ったことが確認でき、あらかじめ届出書を提出していること |
「特定電子計算機処理システム」とは、国税庁長官の定める基準に適合する電子計算機処理システムのことで、以下のいずれかの電子データを上記①~④の要件に従って保存を行うことができる機能を有していることとされています。
システム | 概要 |
JP PINT(Peppol) | 仕入明細書又は適格請求書に記載すべき事項に係る電子データの仕様としてデジタル庁が管理するものに従って提供された電子取引の取引情報に係る電子データ |
ZEDI | 金融機関等のいずれかに預金口座又は貯金口座を開設している預金者又は貯金者の委託を受けて、その金融機関等が行うこれらの口座に係る資金を移動させる為替取引の取引情報に係る電子データ |
令和9年(2027年)1月1日以後に法定申告期限が到来する国税
MEMO
【2025年(令和6年分)の確定申告書の変更点について②】
前回に引き続き、確定申告書の作成における変更点についてご案内いたします。
まず、所得金額調整控除の記入方法の変更についてです。
所得金額調整控除の適用がある方は、適用条件をすべて満たす場合、第二表の「配偶者や親族に関する事項(⑳~㉓、㉞、㊴、㊹)欄」の「その他」欄に、「1」を記載することになりました。(配偶者や扶養親族が定額減税の対象になる場合は「2」のままで問題ありません。)
次に、子育て世代等の住宅ローン減税拡充に伴う項目追加についてです。
住宅ローン控除に子育て世帯や若者夫婦世帯が令和6年に住宅取得やリフォームをして入居した場合、借入限度額に上乗せして、令和4,5年の水準を維持するという制度が設けられました。
この制度の対象者に該当する場合で、適用条件をすべて満たす場合、第二表の「配偶者や親族に関する事項(⑳~㉓、㉞、㊴、㊹)欄」の「住宅」欄の「特個」に丸を付けます。
2025年1月より、税務署へ申告書などを紙ベースで提出した場合、申告書等への収受印の押なつが廃止されました。当面は希望者にのみ、日付や税務署名(業務センター名)が記載されたリーフレットが渡されます。
なお、電子申告の場合は「受信通知」という形で、いつ申告書を受領したかが明らかになるようになっています。