退職所得の源泉徴収票について
令和7年度税制改正により「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」の提出範囲が見直されました。今回はこちらの内容についてご報告いたします。
現行では、退職手当等の支払者である会社が、同源泉徴収票等を税務署長と市町村長に提出する必要があるのは、受給者(居住者)が“役員”の場合のみとなっています。改正後は、“全ての居住者”に拡大し、受給者が従業員の場合も提出することが必要となります。
提出範囲
| 従業員 | 役 員 | |||||
| 交付・提出先 | 受給者 | 税務署長 | 市町村 | 受給者 | 税務署長 | 市町村 |
| 現 行 | 必要 | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 | 必要 |
| 改正後 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 |
提出期限
| 対象者 | 原 則 | 例 外 | |
| 現 行 | 法人の役員である居住者 | 退職後1か月以内 (役員が退職する都度) |
その年中に退職した受給者(役員のみ)に係る源泉徴収票をまとめて翌年1月31日まで |
| 改正後 | 全ての居住者 | 退職後1か月以内 (居住者が退職する都度) |
その年中に退職した受給者(役員、従業員等含む)に係る源泉徴収票をまとめて翌年1月31日まで |
令和8年1月1日以後に支払うべき退職手当等に係る源泉徴収票等に適用されます。そのため、令和7年中に退職した従業員に対する退職金の支払いが令和8年になった場合は、当該従業員に係る「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」を税務署長と市町村長に提出する必要があります。
MEMO
【印紙税の過誤納金還付について】
印紙税を納付する必要がない文書に誤って印紙を貼った場合、課税文書に印紙税額を超えて貼ってしまった場合などは「印紙税過誤納確認申請(兼充当請求)書」と過誤納となっている文書を一緒に、作成した日から5年以内に所轄税務署長に提出し、還付を受けます。
金額の異なる印紙を誤って購入してしまった場合、未使用の印紙の場合には、郵便局で他の印紙に交換できます。窓口で交換する印紙と交換手数料(交換しようとする印紙1枚当たり5円)を支払い、交換します。
印紙は印紙税の納付だけでなく、登録免許税や手数料の納付など他の用途でも用いられます。登録免許税を多く納めてしまった時や非課税にも関わらず登録免許税の納付をしてしまった時は、「印紙還付通知」にて申請書に貼付のあった収入印紙を消印せずにそのまま還付されます。登記申請が却下された場合は登記申請書が申請人に戻されないため、納付された登録免許税は所轄税務署長より還付されます。登記申請が取り下げとなった場合には、登記申請書ごと印紙を消印せずに還付されます。「再使用証明」を受けて、その法務局で登記申請する時に一年以内であれば再使用することができます。一年を経過した登録免許税については、税務署から還付を受けることになります。

