【第40回法人税】 償却資産税の申告時期の見直しについて
償却資産税の新たな制度設計を目指し、特に申告時期については、以前から活発に議論が行われております。
今回は、申告時期の見直しについてご報告致します。
1.償却資産税の現況
現在の償却資産税の制度では、毎年1月1日に所有している償却資産について1月31日までに申告し、自治体がその資産の価格を決定して税額を納税者に通知する仕組みとなっております。
2.償却資産税の申告制度の見直しの要望
償却資産税について、経済界等から以下のような要望がなされてきました。
① 賦課期日と法人の決算日とが異なるため、法人税の申告とは別の時点で償却資産税の申告を行わなければならないことから、申告事務が二度手間となっており、償却資産税の賦課期日を事業年度の末日にすべきである。
② 賦課期日である1月1日から申告期限である1月31日までの1か月間で申告事務を行うのは期間が短く、大きな事務負担となっており、申告書の提出期限を国税の申告期限と一致させるべきである。
3.見直しの方向性
① 償却資産税に係る賦課期日を法人の決算日と一致させることについては、課税漏れなどの問題が生じる可能性があるとして、賦課期日は変更せず申告期限のみを変更する方向で検討されており、法人税の決算日から2か月以内を申告期限とするものです。ただし、現行制度の維持を望む事業者も多いことから、現行制度と新制度を選択できる方向で検討されております。
② 賦課期日の変更をせず申告期限のみの変更となるため、事業者は1月1日の賦課期日から決算日までに取得した資産や除却した資産等の情報を併せて申告することとなります。
・現行制度では、償却資産税の納期は4回ですが、新制度では決算期に応じて納期が1回~4回に変わる予定です。
見直しの要否や時期について、総務省は慎重に新制度の検討を進めていきたいとしており、現状は具体的に決まっておりません。
MEMO
【平成30年度税制改正について ~所得税②~ 】
・基礎控除の改正
平成32年より基礎控除が38万円から48万円に引き上げられます。
ただし、合計所得金額が2,400万円を超える場合は3段階で控除額が減少し、2,500万円を超えると基礎控除の適用はなくなります。
合計所得金額 | 現行 | 改正後 |
24,000,000円以下 | 380,000円 | 480,000円 |
24,000,000円超 24,500,000円以下 |
320,000円 | |
24,500,000円超 25,000,000円以下 |
160,000円 | |
25,000,000円超 | 0円 |
・青色申告特別控除の改正
平成32年より青色申告特別控除が65万円から55万円に引き下げられます。
しかし、これまで65万円の控除を受けており、「電磁的記録の備付けおよび保存をしている場合」、もしくは「e-Taxにより電子申告をしている場合」には、従来どおり65万円の控除を受けることが出来ます。