IT導入補助金2022と圧縮記帳制度、少額資産特例制度の関係について
以前ご報告したIT導入補助金2022の申請が2022年3月から開始しております。
今回はこの補助金を利用して購入した減価償却資産と圧縮記帳制度(国庫補助金等の圧縮記帳制度)、少額資産特例制度(中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入特例制度)の関係についてご報告致します。
補助額 | 5万円~350万円 | |
このうち5 万円~50万円以下部分 | このうち50万円超~350万円部分 | |
機能要件 | 会計・受発注・決済・ECのうち 1機能以上 |
会計・受発注・決済・ECのうち 2機能以上 |
補助率 | 3/4以内 | 2/3以内 |
対象ソフトウェア | 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト | |
補助対象 | ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、 導入関連費、ハードウェア購入費 ※1 |
※1 ハードウェア購入費は、単体申請不可。ソフトウェアの導入に併せて購入する場合に限り、パソコン等は10万円、レジ等は20万円を上限に補助。
IT導入補助金2022は国庫補助金等に該当するため、国庫補助金等の圧縮記帳制度の適用が可能です。
圧縮記帳とは、固定資産の取得に際して収益(補助金等)が発生した場合、その取得価額を減額(圧縮)することにより圧縮損を計上し、収益金額と圧縮損とを相殺してその年度の税負担を軽減する効果をもたせるものです。あくまでも課税の繰り延べであり、トータルで支払うべき税金に変化はありません。
購入した減価償却資産の取得価額が30万円未満であれば、中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入特例制度を適用して全額損金算入することが可能です。また、上述した国庫補助金等の圧縮記帳制度を適用した場合の取得価額は圧縮記帳後の金額とみなすことが出来るため、圧縮記帳後の金額が30万円未満であれば国庫補助金等の圧縮記帳制度と中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入特例制度の併用適用が可能です。
MEMO
【2022年における年末調整の変更点について】
そろそろ年末調整の時期が近づいてきました。毎年のように変更点のある年末調整ですが、今年はどのような点が変更されるのかご案内いたします。
●「控除証明書」の電子データ提出の適用範囲が拡大
年末調整で所得控除の適用を受けるためには、勤務先に各種書類の提出が必要です。2020年以降は、申告書類の電子化要件が緩和されています。
2020年には、年末調整で提出する控除証明書のうち、「生命保険料控除証明書」や「地震保険料控除証明書」、「住宅借入金等特別控除証明書」などについては電子データでの提出が可能となりました。
今回の税制改正では上記に加え、「社会保険料控除証明書」「※小規模企業共済等掛金控除証明書(払込証明書)」も電子データでの提出が可能となりました。
(「※小規模企業共済等掛金控除証明書(払込証明書)」については、iDeCoに加入している場合などに提出が必要です。)
ただし、勤務先が電子的控除証明書等に対応していない場合は、これまで通り控除証明書を紙で提出する必要があります。いずれにしても、記入漏れや提出漏れには注意しましょう。