少額減価償却資産の特例の見直しについて
令和4年度税制改正において、少額減価償却資産の特例が見直されました。今回はこちらについてご報告致します。
少額減価償却資産の特例は、下記の3つがあります。
① 少額の減価償却資産の取得価額の損金算入制度
② 一括償却資産の損金算入制度
③ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
これらの特例を当期利益の圧縮に利用することを目的として、自らが行う事業で使用しない少額な資産(ドローン、建設用足場、LED照明など)を大量に取得し、その取得した資産を貸付けの用に供する節税スキームが近年増加傾向にあります。そのため、令和4年度税制改正において少額減価償却資産の特例が見直されることになりました。
資産の貸付けが主要な事業として行われる場合を除き、対象資産から貸付けの用に供した資産を除外します。
ただし、節税目的ではなくグループ経営の一環として、少額の減価償却資産を一括取得し、グループ内で貸付けが行われるケースもあり、この場合は主要な事業として行われるものとして取り扱い、これまで通り少額減価償却資産の特例が適用できる見込みです。
上記①及び②に該当する減価償却資産は固定資産税の申告対象から除かれますが、今回の改正により①及び②の対象資産から除かれる減価償却資産は固定資産税の申告対象となる見込みです。
令和4年4月1日以降に取得する減価償却資産が対象となります。
MEMO
【購入した棚卸資産の取得価額について】
購入した棚卸資産の取得価額には、その購入の代価のほか、これを消費し又は販売の用に供するために直接要した全ての費用の額が含まれます。しかし次に掲げる費用については、これらの費用の額の合計額が当該棚卸資産の購入の代価のおおむね3%以内の金額である場合には、その取得価額に算入しないことができます。
(1) 買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用の額
(2) 販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用の額
(3) 特別の時期に販売するなどのため、長期にわたって保管するために要した費用の額
また、下記のような費用の額は、たとえ棚卸資産の取得又は保有に関連して支出するものであっても、その取得価額に算入しないことができます。
(1) 不動産取得税の額
(2) 地価税の額
(3) 固定資産税及び都市計画税の額
(4) 特別土地保有税の額
(5) 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用の額
(6) 借入金の利子の額