【第42回法人税】 企業版ふるさと納税の実績について
平成28年度の税制改正により企業版ふるさと納税制度が創設されました。この制度は、平成32年3月31日までとなりますが、内閣府は5年間延長するよう、平成31年度の税制改正要望に盛り込んでいます。今回は、この制度の実績についてご報告致します。
制度の概要
地方公共団体が、地域再生法に基づき、地方創生を推進する上で効果が高いと思われる事業について、地域再生計画を策定し、内閣府から「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」として認定された事業に対して企業が行った寄附について、通常の損金算入に加えて更に3割の税額控除がプラスされる制度をいいます。
実績
平成29年度寄附実績をみると、寄附件数は1,254件(対前年度比142.6%増)、寄附額は23億5,500万円(同215.3%増)と、初年度の平成28年度より大幅に増加しました。
地域再生計画の事業分野別に件数をみると、「しごと創生(※1)」が989件と最も多く、以下、「地方への人の流れ(※2)」152件、「まちづくり(※3)」57件、「働き方改革(※4)」56件となっています。
(※1)しごと創生…地域産業振興、農林水産振興、ローカルイノベーション、人材の育成等
(※2)地方への人の流れ…移住・定住の促進、生涯活躍のまち等
(※3)まちづくり…小さな拠点、コンパクトシティ等
(※4)働き方改革…少子化対策、働き方改革等
(地方公共団体別寄附受入額上位10)
順位 | 地方公共団体名 | 寄附件数 | 寄附額(単位:千円) |
1 | 福島県 | 87 | 230,596 |
2 | 茨城県境町 | 18 | 209,600 |
3 | 北海道夕張市 | 7 | 208,071 |
4 | 石川県小松市 | 6 | 130,300 |
5 | 福島県浪江町 | 3 | 128,572 |
6 | 北海道東川町 | 5 | 121,200 |
7 | 群馬県 | 13 | 107,117 |
8 | 岡山県玉野市 | 6 | 78,800 |
9 | 奈良県斑鳩町 | 1 | 70,000 |
10 | 岩手県軽米町 | 6 | 68,000 |
MEMO
【平成30年分 年末調整について】
平成30年分より、年末調整の際に会社へ提出する様式が一部変更されました。従来は、配偶者控除と保険料控除で1枚の用紙でしたが、今年度より別々の用紙となりました。
配偶者控除等申告書は、前年分と比べると細かな記入が必要になります。
まず、「あなたの合計所得金額(見積額)」は給与所得以外にも雑所得や配当所得などが記入できるようになりました。給与所得は金額にかかわらず省略することはできませんが、それ以外の所得は、副業をしていることを自己申告することになるため、確定申告で申請するかを検討して記入をしてください。「配偶者の合計取得金額(見積額)」も同様の記入が必要になります。ただし、出産手当金・出産一時金・育児休業給付金は所得には入らないため、他に収入がない場合には配偶者控除の対象となります。
保険料控除申告書は、前年分と大きな変更はありません。