不動産賃貸の保証金のインボイス交付について
不動産賃貸の保証金について借主に返還されないものは仕入税額控除が可能となります。ただし、インボイス制度において仕入税額控除を適用するにはインボイスの交付・保存が必要となります。今回は不動産賃貸の保証金のインボイス交付についてご報告致します。
現行の消費税法では、不動産の貸主側に請求書や領収書等の交付義務はないため、契約締結時等、保証金を返還しないことが確定した時点でもその金額に係る領収書等を交付する義務はありません。また、借主は、契約締結時に返還されない保証金に係る領収書等の交付を受けることができなかったとしても、「請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由がある」として、帳簿のみの保存等により仕入税額控除を適用することが出来ます。
インボイス制度では、インボイス発行事業者である貸主には課税資産の譲渡等があった時において、借主の求めに応じて返還しない保証金に係るインボイスを交付する義務が生じます。借主にとっても、返還されない保証金の金額に仕入税額控除を適用するには、貸主からインボイスの交付を受け保存することが必要となります。
返還しないことが確定する時期 | 課税売上げ・課税仕入れの計上時期等 | インボイス交付・保存の時期等 |
契約締結時 | 契約締結時に返還しない金額の全額を計上 | 契約締結時に返還しない金額の全額のインボイスを交付・保存 |
一定期間経過ごと | 一定期間経過ごとに返還しない金額の確定額を計上 | 一定期間経過ごとに返還しない金額の確定額のインボイスを交付・保存 |
インボイス交付時から賃貸借契約終了時において返還しない保証金の金額が異なった場合、修正インボイスの交付・保存により差額分を契約終了時の課税期間の消費税額に加算又は減算する対応が考えられます。
MEMO
【標準賞与額について】
健康保険・厚生年金保険では、税引前の賞与総額から千円未満を切り捨てた標準賞与額を設定しています。(健康保険は年度の累計額573万円、厚生年金保険は1ヶ月あたり150万円が上限となっています。)
●賞与の健康保険料
健康保険料は、事業主がどの健康保険に加入しているかによって、保険料率が異なります。また、協会けんぽの場合は、都道府県ごとに保険料率が異なります。
賞与の健康保険料の計算方法 |
標準賞与額 × 健康保険料率 |
●賞与の厚生年金保険料
厚生年金保険料は、企業や地域にかかわらず、一律です。
賞与の厚生年金保険料の計算方法 |
標準賞与額 × 厚生年金保険料率 |
いずれも一人当たりの保険料の総額となるため、事業主と労働者で折半するのが原則です。また、保険料率は改定される可能性もありますので適時、確認するようにしましょう。
●退職月に退職者へ賞与を支払う場合
賞与が支給された月の末日で退職した場合、保険料の徴収が必要となりますが、月の末日以外の日で退職した場合、支給された賞与に係る保険料は徴収されないので、注意しましょう。
≪例≫7月5日に賞与を支給された従業員が、7月20日に退職したとき
資格喪失日は7月21日で、賞与に係る保険料は徴収されません。 |
≪例≫7月5日に賞与を支給された従業員が、7月31日に退職したとき
資格喪失日は8月1日で、賞与に係る保険料は徴収されます。 |