【第17回法人税】スキャナ保存制度について
平成27年度、28年度の税制改正でスキャナ保存制度の要件が緩和され、スキャナ保存を導入しやすい環境整備が着々と進んできています。特に平成28年度の改正ではスマートフォン等での読取りも可能となりました。今回はこのスキャナ保存制度についてご案内させていただきます。
(概要)
税務署長等の承認を受けた場合に、書面による保存に代えて一定の要件の下で、スキャン文書による保存が認められる制度です。書類の電子化により保管コストの削減が期待されます。
(対象書類)
領収書、請求書、契約書等といった決算関係書類以外の書類が対象となります。平成27年度の改正により全ての領収書、請求書、契約書等が対象となりました。
(入力要件)
早期入力方式(1週間以内)、業務処理サイクル方式(1ヶ月+1週間以内)のどちらかを選択し、期間内に入力する必要があります。
(読取装置)
従来はスキャナが原稿台と一体となったもの等に限られていましたが、平成28年度の改正によりスマートフォン等による保存が可能となりました。
(スマートフォン等による注意点)
スマートフォン等による外出先での領収書などのスキャン保存が可能となりましたが、この場合は受領者等が、署名の上、3日以内にタイムスタンプを付した保存が必要となります。また、経理担当者等が3日経過後に当該書類に不備を発見した場合は、受領者等以外のものが再度スキャンを行い、早期入力方式(1週間以内)、業務処理サイクル方式(1ヶ月+1週間以内)どちらか選択した方式の期間内に入力を行うことにより対応が可能となります。
(保存する読取情報)
読み取った際の解像度、階調、大きさを保存する必要があります。ただし、スマートフォン等による保存でA4以下の大きさである場合は大きさ情報の保存は不要となります。また、スマートフォン等による保存でも上述した経理担当者等が不備を発見した場合の再度の保存は大きさ情報の保存が必要となります。
MEMO
【登録免許税について】
登録免許税とは、土地や建物等の所有権の保存・移転などの登記、各種法律上の権利等の登記や免許などを受ける際にかかる税金のことです。
納税義務者は登記等を受ける者になりますが、対象者が2人以上いる場合は連帯して納付をする義務を負います。
税額は登記などの種類によって異なり、価額に税率を乗ずるもの、1件当たりの定額になっているものなどがあります。また、住宅を取得した際に受ける保存登記や移転登記などには登録免許税が軽減される特例があります。
登録免許税はあらかじめ現金で納付し、その領収書を登記などの申請書に貼り付けて納税します。しかし、場合によっては登記などの申請書に収入印紙を貼り付けて納税することができます。この場合、収入印紙には消印しないこととなっていますのでご注意下さい。時折、消印をして大騒ぎされている光景をみますので。