ご存知ですか?
人材確保等促進税制について
令和3年度税制改正において「賃上げ・生産性向上のための税制(いわゆる所得拡大促進税制)」の適用要件が見直され、「人材確保等促進税制」という名称に変更されました。今回はこの制度の概要について報告させていただきます。
【要件】
改正前 | 改正後 | |
通常要件 | ① 前期と当期の2年間を通して勤務する従業員に支給する給与が、前期比で3%以上増加していること
② 国内設備投資額が、当期の減価償却費の95%以上であること
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① 新たに雇用した従業員に支給する給与が、前期比で2%以上増加していること
② 削除
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上乗せ要件 | 教育訓練費が、前期・前々期の平均値に比べて20%以上増加していること | 教育訓練費が、前期に比べて20%以上増加していること |
税額控除額 | 全従業員に支給する給与の対前期比増加額の15% | 新たに雇用した従業員に支給する給与の15% |
税額控除額 (上乗せ要件を満たす場合) |
全従業員に支給する給与の対前期比増加額の20% | 新たに雇用した従業員に支給する給与の20% |
税額控除額の上限 | 法人税額の20% | 法人税額の20% |
【対象法人】
大法人が対象となります。
中小法人については従来の制度と選択適用が可能です。
【適用期間】
令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度が適用対象となります。3月決算法人の場合、令和4年3月期が最初の適用対象期間となります。
MEMO
【エコカー減税の延長について】
エコカー減税は、燃費や排気ガス性能の良い自動車に対して自動車重量税の税率が減税される制度のことです。適用期限は2021年3月末までとなっていましたが、2年間の延長となりました。
一方で、これまでエコカー減税の対象となっていたクリーンディーゼル車は、ハイブリット車に比べると燃費性能が少し劣るということから免税対象から外れることとなりました。ただし、クリーンディーゼル車のうち、現在の燃費基準を達成している車種は2年間のみ免税が継続されます。基準を満たしていない場合でも1年間だけは免税となり、改めて行う燃費の測定試験で基準を満たせばもう1年免税されます。
また、自動車を購入した際に燃費性能に応じて課税される環境性能割の軽減措置については、適用期限が2021年12月末までとなっています。