令和4年度税制改正大綱について
令和3年12月10日に令和4年度税制改正大綱が公表されました。今回は公表された項目についてご報告致します。具体的な内容は次回以降にご報告致します。
■令和4年度税制改正大綱の項目
・住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(住宅ローン控除)
・認定住宅等の新築等をした場合の所得税額の特別控除の延長、見直し
・居住用財産の買換え等の特例の適用期限の延長
・上場株式等に係る配当所得等の課税の特例
・完全子法人株式等の配当に係る源泉徴収制度の見直し 等
・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長等
・法人版事業承継税制における特例承継計画の提出期限延長
・不動産登記法の改正を受けた登録免許税の非課税措置の創設
・登録免許税、不動産取得税、印紙税の軽減措置等の延長
・固定資産税、都市計画税の減額措置の延長、拡充 等
・給与等の支給額が増加した場合の税額控除制度の改組
・中小企業における所得拡大促進税制
・オープンイノベーション促進税制の見直し、延長
・5G投資促進税制の一部見直しと延長
・少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例等の見直し
・交際費等の適用期限の延長、見直し
・グループ通算制度の見直し
・外形標準課税対象法人の所得割における軽減税率の見直し 等
・適格請求書等保存方式に係る見直し 等
■会社法改正
今回の税制改正とは関係ありませんが、令和3年4月にご案内した「株主総会資料の電子提供制度」を令和4年9月に施行することが令和3年12月14日の閣議で決定されました。
MEMO
【セルフメディケーション税制の延長と変更について】
2017年から開始されたこの制度は、指定された市販薬の購入代金が1世帯当たり年間で1万2000円を超えた場合に、超えた分の金額がその年の課税対象の所得から差し引かれ、所得税や住民税が控除される制度です。2021年までの限定制度でしたが、2026年12月まで延長されることになりました。
また、セルフメディケーション税制の対象は※スイッチOTC医薬品でしたが、スイッチOTC医薬品から効果の薄いものを対象外とし、とりわけ効果があると考えられる薬効(3薬効程度)について、スイッチOTC成分以外の成分にも対象が拡大されました。
※スイッチOTC医薬品・・・医師の処方せんがなくても直接購入できる医薬品のことをOTC医薬品といい、そのなかでも、医療用の成分を一般用に切り替えた(=スイッチした)もののことです。