マンスリーカルチャー
令和6年11月
ようやく秋らしくなりましたが、この時期になるとテレビなどで取り上げられる話題のひとつが日本海の冬の味覚ともいわれる「ズワイガニ」。
水揚げ量の多い北陸から山陰にかけて、地域ごとにブランド名があります。
鳥取県、島根県では「松葉ガニ」、福井県では「越前ガニ」、石川県では「加能ガニ」などです。なお、念のため申し添えますが、これらはいずれも
オスです。メスになると違う名前になります。鳥取県、島根県では「オヤガニ」、福井県では「セイコガニ」、石川県では「コウバコガニ」です。
漁は11月6日に解禁され、来年3月末まで続きますが、資源保護のため、国が調査を実施し毎年漁獲枠を決めています。今年の漁獲枠は前年より9%増加したそうで、これは資源評価の結果、ズワイガニ生息の増加が確認されたことを受けてのことです。この増加の背景には漁業者、研究者、行政が連携し、稚ガニが多い海域を禁漁にしたり、小さいカニが網にかかった場合には放流したりなど、国の定める以上の厳しい規制を設けて地域全体でカニ資源を守ってきたことがあります。カニは生まれてから10年ほどで漁獲対象の大きさになりますので、息の長い取組みが必要となりますが、この成果が実ったといえます。
このようなことを知るとカニを食するときには、まだ実が残っている足をポンと棄てることなく、しっかり食べきる気持ちになりますね。そして、お酒好きのお方には甲羅酒があります。カニ味噌を食べた後の甲羅に日本酒を入れてアルミホイルで甲羅を覆い、魚焼きの網を使ってガスコンロで温めれば完成。蟹のすみずみまで大切に頂くことになり、寒い晩の夕食にはピッタリの趣向です。お試しあれ。