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ご存知ですか?

取引先へのインボイス登録意思確認・要請の留意点について

 10月から開始するインボイス制度について、免税事業者に対するインボイス登録意思確認が独占禁止法等に該当する可能性があります。
 今回はこちらの内容についてご報告致します。

【基本的な考え】

 公正取引委員会等が公表した「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」によると、インボイス制度を契機に、免税事業者である取引先に課税事業者への転換を求めること自体は独占禁止法上問題にならないとしています。
 ただし、課税事業者になるように取引先へ要請することにとどまらず、「課税事業者にならない場合は取引価格を引き下げる」、「それにも応じなければ取引を打ち切ることにする」などと一方的に通告することは、独占禁止法や下請法上、問題となる恐れがあります。例えば、取引先が取引価格の維持を求めてきたにもかかわらず、取引価格を引き下げる理由を書面や電子メール等で回答することなく取引価格を引き下げる場合です。

【判断の一例】

 独占禁止法や下請法上、取引価格の変更や設定等について双方の合意があれば特段問題はありません。例えば、免税事業者にインボイス制度の説明をする際、登録すること又はしないことによるメリット・デメリットを示すことや、登録の要否判断上の選択肢を示すこと、登録を要請することは、いずれも免税事業者自身が選択できる状態にあるため違反行為には当たりません。

■問題とならない行為

・登録すること又はしないことによるメリット・デメリットを説明すること

・次のような選択肢を示すこと
①インボイス発行事業者として登録した場合は、取引条件は変わらない
②インボイス発行事業者として登録しない場合は、現状の取引価格に含まれる消費税等相当額を段階的に取引価格から引き下げる

・登録事業者(課税事業者)になることを要請すること

■問題となるおそれがある行為

・「登録しなければ取引を打ち切る」と一方的に通告すること

・「登録しなければ価格を引き下げる」と一方的に通告すること

MEMO
【インボイス制度に関する改正について③】

 インボイス発行事業者が国内において行った課税資産の譲渡等につき、返品や値引き、割戻しなどの売上げに係る対価の返還等を行った場合には返還インボイスの交付義務がありますが、その金額が税込1万円未満の場合には、事務負担の軽減を図る観点から、交付義務が免除されることとなりました。

《具体例》10,000円の請求に対し、買手は振込手数料相当額440円を減額した9,560円の支払いをした場合

①売手は440円を対価の返還等として処理
→1万円未満の対価返還等であり、返還インボイスの交付義務は免除されます。

借方 貸方
預金 9,560 不課税 売掛金 10,000 不課税
支払手数料
売上値引き
440 返品、値引き等      

②売手は440円を課税仕入れとして処理
→売手が負担する振込手数料相当額を課税仕入れとして処理している場合にはそもそも返還インボイスの交付は必要ありません。
ですが、金融機関や取引先から受領する支払手数料のインボイスが必要となりますが、少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置)の対象にもなります。

借方 貸方
預金 9,560 不課税 売掛金 10,000 不課税
支払手数料 440 課税仕入れ      

 売手が負担する振込手数料相当額について、経理処理を支払手数料としつつ、消費税法上、売上げに係る対価の返還等とすることもできます。この場合、売手が買手に対して売上げに係る対価の返還等を行った場合の適用税率は、売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等の適用税率に従うことから、適用税率に応じた区分や、帳簿に売上げに係る対価の返還等に係る事項を記載する必要がございます。

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