マンスリーカルチャー
令和5年5月

早くも沖縄では梅雨入りした、とのこと。例年沖縄の梅雨入りは大型連休明け前後ですので、今年は遅い梅雨入りになります。梅雨の時期に咲く花といえば、アジサイですね。漢字で「紫陽花」と書き、アジサイといえば紫の花を多く見かけますが、土壌のPHによって花の色が変わるのだそうです。酸性では青、アルカリ性では赤、中間では紫になり、日本は弱酸性の土壌が多いことから青、紫が多くなりますが、ヨーロッパではアルカリ性の土壌が多いことから赤系が主流だそうです。
江戸時代にオランダ商館の一員として日本に滞在したシーボルトは、オランダに帰還後アジサイを「オタクサ」と呼んで紹介しました。この名前はシーボルトの日本での恋人楠本滝の名前から命名した、と言われています。これを植物学者牧野富太郎が指摘し、牧野自身も新種の笹に自分の妻牧野壽衛(すえ)の名から「スエコザサ」を命名したそうです。(今、牧野の生涯を描いたNHKの朝ドラ「らんまん」放送中です)
ところで、アジサイをモチーフにした和菓子「紫陽花」は白あんをサイコロ状の錦玉(きんぎょく)で包んだものですが、6月16日の「和菓子の日」にでもお召し上がり下さい。和菓子の日は古来この日に菓子を神前にお供えして、厄を祓い健康招福を祈願する風習に由来します。美味しいお菓子を食べて厄祓いが叶うとは、一石二鳥ですね。
