令和5年4月

　いよいよ風薫る季節です。この時期に俳人松尾芭蕉は

「松杉を　ほめてや風の　かをる音」

との句を詠みました。いかにも心地よい空気感が伝わってくるようです。「風薫る」は、立夏(5月6日)から始まる夏の期間の季語になります。意外のように思われるかも知れませんが、「イチゴ」も5月の季語になります。実際にはイチゴが店頭で多く見られるのは4月くらいまでですので、いささか違和感を覚えます。ところで、イチゴは日本で明治時代から栽培が始まりましたが、外国より熱心に品種改良に取り組んだ結果、世界のイチゴの品種の半分以上が日本の品種といわれるほどです。ただ、日本では品種改良したあと、品種登録して権利を保護する意識が不十分であった結果、新種のイチゴが隣国に無断で持ち出された後大量に栽培され、逆に日本に輸出するような事態が起きたことは記憶に新しいところです。

　まあ、それはそれとしても折角気持ちの良い季節ですので、この時期ならではの柏餅を熱いお茶で頂き、ゆったり寛ぐ幸せなひと時を過ごしたいものです。柏餅もこしあん、つぶあん、みそあんなどいろいろありますが、お好みは何ですか？