マンスリーカルチャー
令和7年9月

記録的な暑さを経験した夏でしたが、しっかり季節は巡り秋の到来です。秋の恒例行事のひとつに「お月見」があります。旧暦の8月15日に月を観賞するもので「十五夜」「中秋の名月」と呼ばれ、平安時代に中国から日本の貴族に伝わり、これが庶民に広がったのは江戸時代になります。その意義は、無事に稲を収穫できた喜びを分かち合い、感謝する日だったそうです。
旧暦にもとづきこの行事を行いますので、現行の太陽暦に置き換えると「十五夜」は毎年大きく変わります。ちなみに今年(2025年)は10月6日ですが、来年は9月25日です。また、「中秋の名月」というと満月を期待しますが、実際は少し違っています。2025年では1日違いの10月7日、2026年では2日違いの9月27日が満月になります。したがって、お月見の日に月を眺めて「あれ、まん丸に見えないよ」と心配しないで下さい。
ところで、お月見にお団子とススキをお供えしますが、ススキはお供えした後、家の軒につるしておくと一年間病気をしない、とされています。お団子は関西と関東で違いがあります。関西ではお餅に餡を巻き付けたサトイモ形が伝統の形ですが、関東は餡などがついていない丸いシンプルなものになります。これは、お月見の伝来元の中国では中秋の名月にサトイモを食する習慣があり、これが伝わって日本でもサトイモをお供えすることにつながったようです。
世の中は騒がしいことばかりですが、中秋の名月を眺め、お月見団子を食べながら、今年のお米の収穫に感謝し、米不足の騒ぎが起きないことを願って、しばし平和な時間を楽しみましょう。
