商法施行規則が平成14年4月1日から施行され、平成14年商法改正に伴う改正商法施行規則が平成15年4月1日から施行されていますので、改正省令を中心に主な点について整理してみました。
なお、商法施行規則の施行に伴い、従来の「株式会社の貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び附属明細書に関する規則」、「商法第406条の3項の届出に関する規則」、「大会社の監査報告に関する規則」、「大会社の株主総会の招集通知に添付すべき参考書類等に関する規則」、「株式会社の貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び附属明細書に関する規則の特例に関する省令」は廃止されました(商法施行規則附則2条)。
ご案内は2回に分けて行うことに致します。1回目は計算書類の記載以外に関する部分、2回目は計算書類の記載に関する部分についてご案内させて頂きます。
          
第一章 総則  第二章 電磁的記録等 第三章 株主総会召集通知に添付すべき参考書類等
第四章 財産の評価 第五章 貸借対照表等の記載方法等 第六章 純資産額から控除すべき金額
第七章 計算書類等の監査等 第八章 連結計算書類 第九章 連結計算書類の監査等
第十章 監査委員会の職務の遂行のために必要な事項  第十一章 雑則  
       
第一章 総則
1条に目的があり、2条に定義があります。この条で会社を次のように区分し定義しています。

1.大株式会社等
次の1.2.3の株式会社
1.大株式会社 ・・・ 商法特例法の大会社特例規定(20条1項)の適用がある株式会社
2.特例会社 ・・・ 商法特例法の委員会等設置会社特例規定(21条1項)の適用がある株式会社
3.みなし大株式会社 ・・・ 商法特例法のみなし大会社特例規定(20条2項)の適用がある株式会社であって上記1.2.でないもの
注1) 商法特例法上の「大会社」と商法施行規則の「大株式会社」の相違点:
資本の額が5億円以上となった場合、又は負債総額が200億円以上となった場合は、特例法における大会社ですが、その後最初に到来する決算期に関する定時総会終結の時まで、又は最終の貸借対照表に係る決算期に関する定時総会の終結の時までは、施行規則における大株式会社ではありません(商法特例法21条1項3項)。
また、資本の額が5億円未満となった場合又は負債総額が200億円未満となった場合は、特例法における大会社ではありませんが、その後最初に到来する決算期に関する定時総会終結の時までは、施行規則における大株式会社となります(商法特例法20条1項)。

注2) 商法特例法上の「みなし大会社」と商法施行規則の「みなし大株式会社」の相違点:
大会社以外の株式会社で資本金1億円超のものが、監査等に関する特例の適用を受ける旨を定款に定めた場合、特例法におけるみなし大会社ですが、その後最初に召集される定時総会の終結の時までは、施行規則におけるみなし大株式会社ではありません(商法特例法21条5項)。
また、みなし大株式会社である会社が監査等に関する特例の適用を受ける旨の定款の定めを廃止した場合、又は資本金が1億円以下となったときは、特例法におけるみなし大会社ではありませんが、その後最初に到来する決算期に関する定時総会終結の時までは、施行規則におけるみなし大株式会社です(商法特例法20条2項)。
   
2.小株式会社
商法特例法26条1項の小会社特例規定の適用がある株式会社
注3) 商法特例法上の「小会社」と商法施行規則の「小株式会社」の相違点: 
資本金が1億円以下となった場合、又は負債総額が200億円未満となった場合は、特例法における小会社ですが、その後最初に到来する決算期に関する定時総会の終結の時まで、又は最終の貸借対照表に関する決算期に関する定時総会の終結の時までは、施行規則における大株式会社又は中株式会社です(商法特例法27条1項2項)。
   
3.計算書類作成会社
計算書類、附属明細書を作成する株式会社又は有限会社
   
4.有報提出大会社

証券取引法24条1項による有価証券報告書を提出すべき会社に該当する大株式会社等

   
5.連結特例規定適用会社
商法特例法の大会社連結特例規定(商法特例法20条2項)又は同法の委員会等設置会社連結特例規定(商法特例法21条の37第2項)の適用がある株式会社。従って、改正商法附則9条により当分の間連結計算書類の作成を要しない会社(有価証券報告書の提出義務がない会社)は含まれない。
 
6.連結計算書類作成会社
連結計算書類(商規143条1項に規定するもの)を作成すべき株式会社。即ち、連結特例規定適用会社のうち、連結対象となる子法人等を有しているもの。
 
7.連結財務諸表提出会社
連結財務諸表規則2条1号の連結財務諸表提出会社
 
  親会社、子会社等については、次のように定義しています。
  (1)子法人等 ・・・ 財務諸表等規則による(支配力基準)計算書類作成会社の子会社
  (2)子会社 ・・・ 計算書類作成会社の商法上(持株基準)の子会社
  (3)有限子会社 ・・・ 有限会社法24条1項により、有限会社である計算書類作成会社の子会社
  (4)親会社 ・・・ 商法211条の2第1項3項により計算書類作成会社の親会社とされる株式会社
  (5)支配株主 ・・・ 計算書類作成会社の総株主の議決権の過半数を有する者及び商法211条の2第3項により計算      
書類作成会社の親会社とされる株式会社又は有限会社
  (6)支配社員 ・・・ 計算書類作成会社の総社員の議決権の過半数を有する者及び商法211条の2第3項により計算
書類作成会社の親会社とされる株式会社又は有限会社
  (7)関係会社 ・・・ 計算書類作成会社の親会社、子法人等、関連会社、計算書類作成会社が他の会社の連結子会社又は関連会社の場合、その計算書類作成会社の経営を支配している又は財務、営業、事業の方針決定に重要な影響を与えることの出来る株式会社
  (8)連結子法人等 ・・・ 連結の範囲に含められる子法人等、即ち連結財務諸表規則の連結子会社
  (9)連結会社 ・・・ 連結計算書類作成会社及び連結子法人等
  (10)非連結子法人等 ・・・ 連結の範囲から除かれる子法人等(連結財務諸表規則上の非連結子会社)
  (11)関連会社 ・・・ 財務諸表等規則8条5項6項(影響力基準)による連結計算書類作成会社の関連会社
注4) 関連会社と関係会社の相違点: 
財務諸表等規則8条5項6項で、出資、人事、資金、技術、取引等を通じて財務、営業及び事業の方針の決定に重要な影響を与えられる財務諸表等規則上の子会社以外の会社等を関連会社といい、関係会社とは親会社、子法人等、関連会社及び計算書類作成会社が他の会社の関連会社である場合における当該他の会社のことである。
 
その他、監査委員会、監査委員、執行役、株主総会参考書類、種類総会参考書類、創立総会等参考書類、社員総会参考書類、議決権行使書面、持分法、連結整勘定、少数株主持分、財務諸表、連結財務諸表についての定義がありますが、省略します。
第二章 電磁的記録等
第三章 株主総会召集通知に添付すべき参考書類等について規定していますが、省略します。
第四章 は財産の評価についての規定です。
27条に株式会社及び有限会社の会計帳簿に記載すべき財産に付すべき価額はこの章の定めによるとして、
28条 流動資産の評価 29条 固定資産の評価 30条 金銭債権の評価
31条 社債その他の債券の評価 32条 株式その他出資の評価 33条 のれんの評価
が規定されていますが、従来商法で規定されていたもの(旧商法34条の2、285条、285条の2、285条の4、〜7) がそのまま商法施行規則に移されました。財産評価方法の省令への委任は証券取引法会計の変更に際して機敏に対応できるようにするためといわれ、内容についての変更はありません。
また、規則に定めなき事項については、従来通り公正なる会計慣行を斟酌することとなります(商法32条2項)。
第五章 貸借対照表等の記載方法等2004年 第2号 商法施行規則の改正について(2)に記載
第六章 純資産額から控除すべき金額
1.配当可能限度額算定における控除額
資本の額、資本準備金及び利益準備金、利益準備金の要積立額の他に、開業費及び研究費・開発費の法定準備金超過額、新株式払込金又は新株式申込証拠金、時価評価益による純資産増加額と規定しています(124条)。
2.中間配当可能限度額算定における控除額
最終の決算期における資本、資本準備金及び利益準備金、最終の決算期に積立てた利益準備金、中間配当に係 る利益準備金の要積立額、最終の決算期で処分し又は資本に組入れた利益の額、自己株式の取得の定時総会決議により定めた自己株式の取得価額の総額の他、その他法務省令に定める事項として、開業費及び研究費・開発費の法定準備金超過額、新株式払込金又は新株式申込証拠金、時価評価益による純資産増加額、商法204条の3第1項、211条の3第1項、224条の5第2項の規定により自己株式を買い受けたときは当該自己株式の帳簿価額を控除するものとしています(125条)。
第七章 計算書類等の監査等
第七章では、大株式会社及びみなし大株式会社における監査、特例会社における監査等についての規定がありますが省略します。
第八章 連結計算書類
平成14年商法改正で、商法上も大会社に連結計算制度が導入され、3月決算会社では平成17年3月決算から適用されることになりました。
しかし、有価証券報告書提出会社でない大会社は当分の間適用されないこととなっています(改正特例法附則9条2項)。また、みなし大会社に準用もされていません。
連結計算書類については省令で定めることとされ、商法施行規則第八章142条以下に定められています。その主な点について書き出してみました。
連結子会社の定義
会社についての定義は第2条にありますが、連結子会社は第8章に定義されています。即ち、連結子会社とは他の株式会社により経営を支配されている子法人等のうち子会社以外のものをいいます(142条)。子法人等は財務諸表等規則における子会社ですから、財務諸表等規則における子会社のうち商法上の子会社以外のものをいいます。
連結計算書類
連結計算書類として作成を要するのは、連結貸借対照表と連結損益計算書のみとなっていて(143条)、連結剰余金計算書、附属明細書、キャッシュフロー計算書は義務づけられていません。開示するのは任意です。
連結の範囲
連結特例規定適用会社は、そのすべての子法人等を連結の範囲に含めなければならない、但し一定の子法人は連結の範囲に含めないものとする、として連結財務諸表規則と同じ定めになっています(144条)。
連結計算書類
連結計算書類として作成を要するのは、連結貸借対照表と連結損益計算書のみとなっていて(143条)、連結剰余金計算書、附属明細書、キャッシュフロー計算書は義務づけられていません。開示するのは任意です。
注記事項
連結の範囲に関する事項、持分法の適用に関する事項等を注記することになっていて、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項と同様な注記が必要です(144条3項、152条1項2項)。
また、連結会社及び持分法適用会社の後発事象は連結貸借対照表等に注記しなければなりません。但し、その事業年度の末日が連結決算期と異なる子法人等及び関連会社については、当該子法人等及び関連会社の決算期後に発生した当該事実を注記しなければなりません(154条)。
これら以外に、連結貸借対照表等により企業集団の財産及び損益の状態を正確に判断するために必要な事項は、注記事項となっています(155条)。
注記すべき事項について営業報告書に記載があるときは、その注記を省略できます(156条2項)。
有報提出大会社は、商法施行規則に定める規定に拘わらず、財務諸表等規則又は連結財務諸表規則によることができます(197条)。
第九章 連結計算書類の監査等
第十章 監査委員会の職務の遂行のために必要な事項
第十一章 雑則(株券喪失登録申請の添付書類、債権者保護手続における貸借対照表に関する事項など)は省略します。

参考文献: 以下の図書を参考にさせて頂きました。
公認会計士協会東京会研修会テキスト 公認会計士 手塚 仙夫 氏 商法特例法及び商法施行規則の改正と商法IT化
東京監査団連絡協議会研修会テキスト 日本大学商学部助教授 秋山 朝則 氏 商法改正の実務対応研修会
日本公認会計士協会研修会テキスト 日本大学商学部助教授 秋山 朝則 氏 商法施行規則 経団連ひな型の徹底解説
筑波大学教授 弥永 真生 氏 コンメンタール商法施行規則  
公認会計士 太田 達也 氏 商法施行規則の完全解説  
 
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税務関係の簡単なご案内をしています。
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 「中国茶あれこれ」
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